山下潤　三日坊主農園記録５

元々僕は活発な人間ではないので、特に高校を卒業して体育の授業が無くなったり、移動が徒歩から自動車になったりしたこともあわせて、自ら進んで運動することは全くと言ってよいほど無くなってしまいました。
スポーツジムに通っていた友人たちがある時僕にもそれを勧めてきたこともありましたが、何事においてもあまり長続きしたためしがないこともあり、誘いを受けておいてすぐにやめてしまうのも失礼にあたるだろうと、もっともらしい理由付けでお断りをさせていただいたのですが、実際のところはただ気が進まないというだけのことでした。

そうは言ってもさすがにこのままではいけないと思い、一年ほど前から日ごろの運動不足の解消として近所にある神社までの散歩をするようになりました。
距離は長くないのですが、折り返し地点の神社が自宅から坂を下ったところにあるので、行きは良い良い帰りは…という具合に散歩を始めて一週間くらいはゾンビのような足取りで坂を登っていましたが、慣れてくるとあまり負荷を感じなくなるほどには余裕が出てきました。
ある時調子に乗って団地の入り口の丁字路までの200mほどの距離の坂道を小走りで上がってみると体がバラバラに壊れてしまいそうになるほど疲れ果て、そんな僕の姿を見た井戸端会議に興じるご婦人方をギョッとさせてしまったことがあるので、それ以来自分の力が及ばないことには手を出さぬようのんびりと歩くことにしています。

初詣

今年は長らく出不精もあり行く気にならなかった初詣にも参ろうという気になり、三が日の最中に訪れてみましたがさすがに神社にとってはホットシーズンというだけはあり、大勢の参拝客で賑わっている様子が遠めからでも分かるほどで、人だかりが苦手な僕はそれだけでうんざりしてしまい足早に退散をしてしまいました。

結局、僕の初詣はお正月が明けた二週目になりましたが無事お賽銭とお祈りを済ませることができ折角の機会だったので10年ぶりくらいにおみくじを引くとなんと大吉。
「非常に幸先が良いな」と気をよくしていつも使うものより少し高い皮を買い、餃子などをこしらえてみましたが、料理の腕と運勢はあまり関係がなかったようで、フライパンに皮が焦げ付いてしまった餃子たちが数名発見されることとなりました。
これも「慢心するな」という天からのお告げなのが分かりませんが、今年はより一層謙虚に生きていきたいと思う次第でございます。